無視力を鍛えるオフィス  

今ではパーテーションがあるオフィスは当たり前になった。けれども、昔は違った。

社会人一年生で入った会社ではデスクに座ると前のデスクの人と向き合うようになっていた。そんなデスクが集まって10名程の島を作っていた。当時のデスクは今のものより幅がもっと狭かったから隣のデスクの人とも距離が近かった。パーテーション等無かった。1人1台のパソコンだって無かった。 (業種によってはあったのかもしれない) 周りの人の顔が見渡せるのは当然なデスク環境だったがそれ程ストレスは無かった。昼間は営業者達は外へ出てしまい、残るのは私と一年先入社の先輩だった。先輩は面白い人でよくジョークを言って私を笑わせていた。今思い出してみると、そんな当時のデスク上での仕事は書類をチェックしたり記入したり・・・。会社にあるコンピューターは一定の場所に数台が置いてあり必要な時にその場所に行って使っていた。他にはタイプライターがデスクの近くにあった。タイプミスをしないようにかなり慎重に打っていたものだ。タイプミスした時はガックリして横のローラーをくるくる回して用紙を取り出した。思い返してみると、人と話す時はその人の顔を見るが、書類に向かう時は当然だが目線はデスクの上の書類に落ちた。

今、オフィスワークは殆どの時間がパソコン作業だ。目線はパソコン画面に向かう。顔はほぼ正面を見る事となる。(ノートパソコンを除く)デスクが向かい合わせになっている場合、パソコンの高さが無いと向かい合っている人の顔が見える。または、斜め向かいの人の顔が見える。私は、これが苦手である。私が苦手なのだから、この状況が苦手な人は結構多いのではないかと思う。

パーソナルスペースという概念がある。これは、他人に近づかれると不快に感じる空間の事。性格や性別、状況によっても変わるそうだが、仕事中のパーソナルスペースは仕事を効率よく進めるためにはとても重要だと思う。親しい相手ほどパーソナルスペースは狭くなり、それとは逆の相手にはパーソナルスペースは広くなる。

会社で働く人間同士というのは、時には親しい仲の場合もあるが、普通は仕事仲間であり複雑な心理が混在していると思う。そういう仕事仲間との距離は親しい仲とは言えないものだ。こういう関係での距離を社会距離というのだそう。

社会距離とは、他人同士が会話をする場合の許容範囲だそう。仕事場でも活用されている。話し合いの場で設定される距離になっている。これは他人を気にしないで仕事に集中できる距離だそう。

  • 1.2〜2m ・・・ 相手の体に触れることができず、細かな表情が見えにくい距離
  • 2〜3.5m ・・・ 細かな表情が確認できないが、相手の体全体が見やすくなる距離 と、ある。

実際の仕事現場を何気に観察してみると、島型デスクでパーテーションがない職場では、皆それぞれに工夫して前の人の顔が見えない様に工夫しているように思える。パソコンの位置をずらして調度相手の顔が見えないようにしたり、中には姿勢を丸くして視界を極力狭くしてパソコン画面に向かっている人もいる。これはかなり体に悪い。病気発覚は時間の問題になるぞ。

考えてみれば、1日八時間として、目の前にずっと同じ人の顔があるというのは結構シンドイ。ましてや、それが嫌いな相手だったら尚のこと。逆にいい男やいい女だったりしたら、それはそれで集中力が欠けてしまうぞ。いやいや、仕事だからさ、目の前に男前が1日8時間いたって何の問題もないわ~。というサッパリタイプの人もいるだろう。しかし、人間というものは目に見えている人間の顔には自然と反応してしまったり、他人の視線からは逃れたいもの。別の言い方をすれば何らかの意識を持ってしまったり、視線が気になるが故に思考が中断してしまったりする。自分が今やっている作業や思考に集中したい場合、これはとても邪魔な感覚だ。

オフィススペースの問題や会社の資金力の問題でデスクの設定をそう簡単には変えられない場合、個人で解決するしかない。

そこで、登場するのが無視力だ。いや、無視力って物質じゃぁないから登場なんて出来ないけどさ。でも要するに無視する力。

目の前にいる人の存在を意識の中に入れない力。とにかく、自分のパーソナルスペースに他人の存在を入れない事にしてしまう。勿論仕事なので必要に応じて会話はしなければならないが、完全にその人の存在を無視する事が出来れば仕事は進む。目の前の人間が知らない人であればそれは容易かも知れないけど。電車やバスの中では、知らない他人を無視していられるものね。

日本のオフィス、まだまだ島型デスク環境は多いと思う。パーテーションの無い仕事場では無視力を鍛えねばならない。無視、無視、無視、無視、無視、・・・と、心の中で唱える。

余談だが、以前、大学で働いていた友人がこんな事を言っていたのを思い出した。「先生の助手みたいな事をしているんだけど、デスクが近すぎるのよ~~~~。部屋は広いのになんであんなに近距離で仕事しなきゃならないのか分からない。仕事しにくいからデスクの位置を変えてもらえるように言ったわ~~~」と。で、変えてもらったらしい。もしかすると、小さなオフィスでは良い提案をすればそれなりに改善できるのかも知れない。

デスク環境は仕事の効率を良くも悪くもする。いっそのことサングラスをかけてパソコン作業する?

または、全く別の視点からオフィス環境を考えてみると素晴らしい改善策が見つかるかも・・・

例えば・・・

目線の高さに回転寿司式のミニ回転棚があるってどうよ?共有できる文房具や書類なんかを乗せたり回覧を乗せたり、メーカーならサンプルやサンプル模型やサンプル写真を乗せてみんなで共有する事だって出来るぞ・・・スペースの有効利用になるではないか;-) なーんてさ。空間利用した方がいいよね・・・

仕事ストレスはアイデアで少なくしていきたい。このアイデア活かしていただける方、ご連絡いただきたい;-)

 

今日の一句

朝起きて 喉が痛いぞ 秋あらら

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